佐藤進治の分析:2021年のグローバル経済の動向とリスク

2021-01-28 佐藤進治

この1年間、世界経済はコロナの流行によって深刻な打撃を受け、世界の主要な株式市場は頻繁に乱高下していた。2021年を展望すると、各国経済が徐々に安定し、ワクチンの接種が展開されるため、世界の株式市場はプラスに転じそうだ。 

2020年のニューヨーク株式市場は、3月に10日間で4回もメルトダウンし、11月にはダウン・ジョーンズ工業平均が初めて3万ポイントの大台を超え、過去30年間で最大の月次上昇率を示すなど、1年を通じてジェットコースターのような展開となった。 



米国の株式市場は経済の現状を反映しておらず、経済は弱く、企業収益も低水準であるにも関わらず、株価は急上昇した。これは、「中央銀行と政府の対応の速さと規模」、およびテクノロジー銘柄が牽引したためだ。

リスク資産を求めて、米国株式市場のバブル化に対する市場の懸念が高まってきた。研究機関は、2021年の米国株式市場全体のパフォーマンスについては依然として強気だが、主要株価指数が大きく上昇することはないと見ている。米国の市場調査機関Speculatorの創設者であるLarry Benedictは、2021年前半にニューヨークで引き下げが起こると予想した。 



欧州株については、2021年末にフランクフルトのDAXが14,000ポイント、ユーロ圏諸国の優良株50銘柄をカバーするユーロ・ストックス50が3,500ポイント、年末にロンドン株式市場が7,200ポイントになると考えている。

コロナが上手くコントロールされているため、アジア株式市場は米国株式よりもパフォーマンスが良くなるだろう。日本のデフレが更に進み、米ドル安が続く可能性がある中で、2021年には円高圧力が高まり、日本株式市場は「円高、株高」相場から脱する可能性がある。

 

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