『タオルは、なんで固くなってしまうのか?』の話
2023-06-23 三保原屋 常務/静岡の家庭用品店
三保原屋本店は静岡の家庭用品専門店。創業は1687年といわれています。
2023年6月24日、25日にIKEUCHI ORGANICさんの阿部社長を迎えてタオルケットイベントを開催します。
2023年6月1日にNHK「あしたが変わるトリセツショー」にて、タオルの洗濯を丁寧に解説してくださったのが、IKEUCHI ORGANICさんの阿部社長。
自社タオルに限り、タオルメンテナンスも行うメーカーさんです。
【タオルが固くなる原因】
①脱水が不十分
洗濯の量を調整するためにお洗濯を分けてすることがあると思います。
たとえば「おしゃれ着洗いコース」で、お洋服と一緒にタオルを洗っていただくとよくわかるのですが・・。
一般的に「おしゃれ着洗いコース」の場合は、お洋服のために、すすぎ・脱水力が弱く、タオルのすすぎ・脱水が十分できていないケースがあります。
【脱水が不十分で、いつもよりもびしょびしょ・・。】この状態でタオルを干してしまうと、タオルが固くなってしまうことがあります。
また、タオルが固くなる多くの事例で傾向がみられる【すすぎ不足】で発生する問題については【③残留洗剤や残留柔軟剤】にて記載します。
タオルの脱水はしっかりと。
とりあえず、タオルの脱水はしっかりとやってみてください。
乾きも早くなり、一番簡単にトライできる内容だと思います。
なお、タオルを干す際は、パイルを立てるイメージで、バサバサとタオルを振ってから干してみてください。
②過乾燥
私は一人暮らしをするときに、必ず南向きの部屋を・・・と探していました。
そして、洗濯物を天日で干すのが好きだったので、時には西日までバッチリ差すような部屋に住んでいました。
このような環境化で洗濯物を干すと、必要以上に乾燥が進み、タオルが固くなってしまうことがあります。
浴室で保湿
過乾燥で固くなってしまったタオルは、浴室に干して、湿気を少し戻してあげると、固さが戻ることがあります。
③残留洗剤や残留柔軟剤
これが実は一番発生可能性の高い問題・・。
IKEUCHI ORGANICさんのタオルメンテナンスでも一番発生が多く、問題にもなりやすい原因と聞いています。
最近の洗濯環境において、とても発生しやすい問題がこちら。
「節水型の洗濯機」
「驚きの白さの洗剤」
「ほのかに香る柔軟剤」
耳にしたことがあるフレーズばかりです。
お洋服にとってはこのような環境化で洗濯をしても問題のないものが多いのですが・・・
タオルに限って話をすると、最近の洗濯環境は非常にタオルにとって過酷な状態になっています。
ここでは「洗剤や柔軟剤がタオル繊維をコーティングしてしまい、固くなることがある」と覚えていただけますと幸いです。
できれば柔軟剤の利用は控えてください
できれば、お気に入りのタオルだけでも
●たっぷりのお水で
●蛍光漂白剤の入っていない洗剤
●柔軟剤はなし
で、洗っていただけると幸いです。
タオル、とくに水を拭きとる目的で使われるタオルは、柔軟剤をいれずにお洗濯いただけますと幸いです。
柔軟剤がタオルの繊維をコーティングしてしまうと、すぐにタオルの吸水力が落ちてしまいます。
【どうすればいいのか??】
まずは、ガス乾燥機!!
以前、引っ越しの際に、古くて硬くなったタオルを雑巾予備軍として用意していました。
引っ越し完了後に、何枚か雑巾予備軍となっていたタオルが余っていたので、洗濯をしてからガス乾燥機にかけてみたのですが・・・。
驚くほどにフワフワになり、なんとタオルとして1軍に復帰したことがあります。
おそらく、私の家では②過乾燥が原因でタオルが固くなっていたのでしょう。
洗濯はおうちのものでも構いませんので、コインランドリーのガス乾燥機に復活させてみたいタオルを持っていくのも良いと思います。
(ガス乾燥機でタオルが縮むことがありますが、通常の使い方であれば問題はないと考えています。)
趣味としての洗濯
タオルは生活に欠かせないのですが、毎回気をつかって洗濯をするのは非常に難しいのも事実。
お気に入りのタオルだけ、週に1度「趣味として」洗濯をするのもいいのかもしれません。
この時の注意点は「濡れたタオルはすぐに広げて乾かすこと」です。
洗濯の頻度を落とす場合は、使ったタオルがしばらく放置されてしまうケースがあります。
タオルは濡れたままの状態が続くとカビてしまったり、匂いの原因菌が繁殖してしまうことがあります。
感覚としては「ホテルに宿泊した時のように」、使ったタオルは広げて乾かして頂くのがオススメです。
最後に
大事にしているタオルが固くなった!
と思ったら、何かを始めることも大切ですが、まずは、タオルにとって良くないことを辞めてみるほうが簡単かもしれません。
思い当たることがあれば、洗濯環境を見直してみるのも1つかもしれません。