森潤也|文芸編集者

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本の物々交換ができる書店「ブックカフェ はるや」に行ってきた話

本屋さんって面白いんです。何を今さらという感じですが、小規模の書店や個人書店などが増えて、本屋さんのバリエーションがすごく広がっています。選書のオリジナリティだけでなく、コンセプトやお店作りから従来の本屋さんの枠を飛び越えているところもあって、本屋さんという存在の可能性がぐんぐん拡張されているように感じます。それなのに。思えば、行くのは通勤途中にある大型チェーンばかり。仕事の新刊チェックとして売り場を眺めるだけで、「本屋さん」という場所にあまり向き合えていなかっ

編集者の「はじまりの一冊」は、帯コピーが全ボツに終わりました

「そんな帯じゃだめだ。書き直せ!」それが、はじめて編集した本の思い出です。※※※誰にも「はじめて」があります。はじめて学校へ行ったこと。はじめて問題が解けたこと。はじめて注文をとったこと。はじめて苦手なものが食べられたこと……創作においても「はじめて」があり、作家さんにデビュー作が存在するように、編集者にも「はじめて編集担当した本」が存在します。僕は昔から小説……特にエンタメが大好きだったので、入社時には創作読み物の編集者を目指していました。残念ながら、

本の表紙で透明トレカを作ってみました

Xでこんな投稿を見かけました。やばい。めっちゃええやん。やってみたい。自分の担当作でこんなん欲しい。………ほな、やってみるか!!そう思い立って、僕も作ってみることにしました。ヒマなん?とか言わないでください。ヒマなんです。※※※書かれている通り「透明トレカ」で検索してみると、いろいろ出てきました。オタ活グッズの一つで、アイドルなど推しの写真をトレカにするのだそうな。いろんなサイトを参考に、準備を整えました。といっても必要なものはこれだけ

3年でヒット作を作れなかったら、編集者を辞めるつもりだった

3年間で5万部以上の本を作れなかったら、編集者を辞めよう。そう決めていました。文芸編集者になったのは、もう10年も前のこと。広島の営業所で3年間営業を勤めたあと、立ち上がったばかりの新書編集部に配属になり、なんやかんやあって半年後に念願の文芸編集部に異動しました。そう、僕はずっと小説の編集をやりたかったのです。子どもの頃に読んだ『ズッコケ三人組』に『はてしない物語』、『宇宙人のしゅくだい』。成長するにつれハマっていったSFにミステリ……。自分のまわりには常に小説

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