本は書くのも楽しいけど作るのも楽しい
2024-01-18 桜田千尋
本は書くのも読むのも楽しいのですが作るのも楽しいなと思います。
僕はコミケやコミティアのようないわゆる同人即売会が好きでして、初めて出展してから15年以上が経ちます。
即売会の魅力というと、応援してくださるファンの方と直接会える、SNSで交流している作家さんと話ができる、書店では出会えないような本と出会えるなどなどたくさんあるのですが、個人的にはそこで頒布する本やグッズを自分で作るということも大きな魅力の一つだと思っています。
というわけで今回はこれまで僕が作った同人誌を紹介しようと思います!
1.イラスト集
絵描きですので当然っちゃ当然なんですけど、自分の絵をまとめたイラスト集を一番多く作っています。PixivやTwitterで公開したものをまとめて一冊の本にしているものが多いです。
モノによってはテーマを決めたり、ちょっとしたポエムなんかも挟んでみたりして、あるようなないような物語性を持たせたりなんかもしてましたね(今思うとちょっと痛いんですけど)。
僕としてはCDのアルバムを作るみたいな感じで作業してて面白かったです。そういう意味もあってトラックリストっぽく目次を付けたり、巻頭詩をつけたりして楽しんでました。家にいくつかあったのでご紹介しますー。
ちなみにここで紹介している本は全部自分で作っていますー。
当時印刷会社でアルバイトをしていたので会社の機械を使って印刷していました。それを自分で中綴じ製本してましたね。社割の制度があったので安く印刷出来たのも都合が良くて。
大学卒業したばっかりで一人暮らしでお金がなかったしで、そんな時期にもかかわらず創作活動できたのは会社のおかげだったと思います。
製本だけじゃなくデザインも自分でやっているので本当に最初から最後まで自分で本を作ることができるのが楽しいです。
2.児童書をイメージした本
小説が好きだったので、イラスト集だけではなくお話も書きたいなと思って作ったものです。ただ同人即売会という現場だと文字だけの本よりも絵がある方が手にとってもらいやすかったので、それならと挿絵が多い小説みたいなのを作ろうと思いました。そこで挿絵の多い児童書を参考にした本を作ってみました。
今でもよく描いているミケとタマはこの時に作ったものです。
ちなみにミケとタマのお話は昨年の文学フリマにて10年ぶりにリメイクした作品を出しました。
3.音楽のついた作品
バンプの「orital period」や堂本剛の「See」というアルバムの装丁がめちゃめちゃ好きなのですが、それに影響をビシビシと受けまくった結果、音楽と絵と言葉で何かを表現することを模索しはじめます。
辿り着いたのがCDをDVD用のトールケースに入れてイラスト集のようなブックレットをつけるという装丁でした。ブックレットには楽曲をイメージしたイラストや物語を収録しています。
僕は基本的に絵を描いていて、音楽はたまに自分でも作っていたのですがほとんどは友達に担当してもらっていました。この作品を作っていたのは音大を卒業して1年ぐらい経った頃だったと思うのですが、その時はもう音楽で食べて行くのは無理だと判断してイラストを描く方に注力していました。
当時まだ大阪に住んでいて東京の即売会にもよく行っていたのですが、東京のイベント(コミケ、コミティア、M3など)は音楽サークルで出て関西のイベント(コミティア、そうさく畑、スパコミなど)はイラストサークルで出てました。
あの頃は月一回はどこかしらのイベントに出てて、毎回イベントで新刊を作ってたんですよね。バイトがお昼からのシフトだったので仕事終わって23時ぐらいにウチに帰ってきて、そこから絵を描いて太陽が昇ったら朝ごはん食べて寝るみたいな生活を送ってました。
4.オフセット印刷
その後、勤めていた印刷会社でめでたく正社員になりまして大阪から東京に転勤となります。僕はずっと東京に憧れていた田舎者だったので東京に行けることになったのは嬉しかったですね。上京してからも変わらず創作活動は続けていて、5年くらい経った頃に満月珈琲店ができます。
それまではずっと会社の機械を使って同人誌を作っていたのですが、満月珈琲店が出来てからはありがたいことに生産が追いつかなかったので印刷所に注文するようになります。俗にいうオフセット印刷です。
無線綴じにしたり表紙にPP加工したりとより出版されている書籍に近い形にすることができました。
というわけで、これまで作ってきた本の紹介でした。
今ではおかげさまで商業出版もしてもらえるようになったのですが、やはり一から本を作ってお客さんに手に取ってもらうというこの楽しさというのは同人即売会でないとなかなか味わえないと思うんですよね。
今後も即売会には出展していこうと思いますので、機会が合えばぜひぜひ来てくださいー!!
ちなみに本ではなくグッズについては以前まとめた記事があるのでもしよかったらあわせて読んでください。