“ありがとう”の「サンキュークラクション」は違反!? よく見る「サンキューハザード」「パッシング」はどうなの?

2024-09-04 いしまる

サンキューハザードやパッシングは違法か?

 走行中に道を譲ってもらったときなどに、ドライバーが「ありがとう」の気持ちを込めて「サンキュークラクション」を鳴らすことがあります。
 
 運転中の挨拶としてよくみかける光景ですが、実はこうした行為は道路交通法違反にあたるのです。
 
 では同じようにお礼の意味を持つ「サンキューハザード」や「パッシング」は、違反に該当するのでしょうか。

「サンキュークラクション」は実は交通違反なんです!

 道路交通法54条ではクラクションつまり警報器の使用について、見通しのきかない交差点や曲がり角などでは、「鳴らさなければならない」と定めています。

 また併せて、危険防止でやむを得ない場合を除き、「こうした場所以外ではクラクションを鳴らすことを禁じる」としています。

 鳴らすべき時に鳴らさなかった場合は、警音器吹鳴義務違反にあたります。

 これらを踏まえるとサンキュークラクションは、鳴らしてはいけないときに鳴らす行為とされ、警音器使用制限違反に該当するのです。

 警音器使用制限違反になった場合、違反点数はありませんが、反則金3000円が課せられます。

 一方で、ドライバー同士のコミュニケーションとして、サンキューハザードやパッシングもよく見られます。

 サンキューハザードは、後続車に対してお礼の気持ちを伝えるためにハザードランプを点灯させる行為です。

 ハザードランプは周囲に危険を知らせるための装備なので、本来の目的とは異なる使い方になります。

「道を譲りたい」「先に行きたい」といった意思を伝えるため、一瞬だけヘッドライトを点灯させるのがパッシングです。

 こうした行為に違法性は無いのでしょうか。

 その回答について、交通相談コーナーの担当者は次のように語ります。

「サンキュークラクションは警音器使用制限違反で明確に違法となります。

 一方で、サンキューハザードやパッシングは違法と明文化されていません。

 ハザードランプをいつ点灯させなければいけないという法律はありますが、そのほかで付けてはいけないとは法律には書かれていません」

 そのため、サンキューハザードやパッシングをしたとしても、道交法違反に問われることは少ないとのことです。

 万が一、ほかのドライバーがそのサンキューハザードやパッシングに気を取られて事故を起こした場合は、安全運転義務違反に該当する可能性があります。

 また挨拶ではなく、煽るつもりでハザードをつけたりパッシングしたりすると、妨害運転罪などに問われます。

 このようにサンキューハザードもパッシングも違反にはなりませんが、様々な場面で使われるので、ドライバーの意図したとおりに意味が伝わりづらいケースもあり、無用なトラブルを避けるためにも、行う際は配慮が必要でしょう。

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