EU欧州司法裁判所 アップルに追徴課税求めた決定 支持の判決

2024-09-11 いしまる

EUの執行機関にあたるヨーロッパ委員会は、2016年、アイルランド政府がアップルに対して行っている法人税の優遇措置は違法だとして、最大で130億ユーロ日本円にして2兆円余りの追徴課税を行うようアイルランド政府に命じました。

アイルランド政府とアップルはこれを不服として裁判所に提訴した結果、2020年に1審の裁判所はヨーロッパ委員会の決定を無効とする判断を示していました。

ヨーロッパ司法裁判所は10日、この1審の裁判所の決定を破棄し、もとのヨーロッパ委員会の決定を支持する判決を下しました。

「アイルランド政府はアップルに違法な援助を与えており、これを回収する必要がある」などと説明しています。

アップルは2018年に利息を加えた143億ユーロを仮払いの形で第三者の口座に納付済みで、この資金がアイルランド政府に今後、移転されることになります。

また、ヨーロッパ司法裁判所はアメリカのIT大手グーグルにおよそ24億2000万ユーロ、日本円にしておよそ3800億円の制裁金を科すとしたヨーロッパ委員会の決定を支持する判断を下しました。

委員会はグーグルがインターネット検索で自社の商品比較サービスを優先的に表示していたなどと指摘し、独占的な地位を乱用していたと判断していました。

EU 米国大手IT企業の自社サービス優遇に厳しい姿勢

EU=ヨーロッパ連合はアメリカの大手IT企業などが税を逃れたり、圧倒的な競争力を背景に自社サービスを優遇したりすることに厳しい姿勢をとっています。

今回の判決はEUによるアメリカのテック企業に対する規制強化の動きをより鮮明に印象づけた形です。

ヨーロッパ委員会は10日、記者会見を開き、ベステアー上級副委員長は今回のアップルに対する判決を歓迎した上で、「きょうはヨーロッパの市民と税の公平性にとって大きな勝利だ」と述べました。

またグーグルに対する判決については「巨大テック企業に対する規制措置の歴史において画期的な出来事だ。強力なテック企業であっても責任を問われる可能性があることを実証した象徴的なものだ」と述べました。

これに対してグーグルはNHKの取材に対して「裁判所の判決に失望している。私たちはヨーロッパ委員会の決定に従い、2017年に変更を行った」とコメントしています。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。
      SiteMap   サイト概要