舞浜オタクが行くワーナー ブラザース スタジオツアー東京 感想

2024-09-02 椿(改名しました)


きっかけ:チケットをもらった

 私はハリーポッターの映画も原作本もほとんど見たことがない。映画は賢者の石だけ2~3回見たことがあって、それ以外は炎のゴブレットまでは1度だけ見た。それ以降は全く知らない。何度か見ようと思ったが、どうにも面倒くさくて気が進まず(そもそもあまり映画が好きではない)、結局登場人物の名前もろくに覚えられないままだ。
 ただ、日本人は異様にハリーポッターが好きで、特にオタクは必修科目のように位置づけられていることも多い。pixivには「もし〇〇のキャラクターがホグワーツに入学したらどこの寮?」みたいなイラストが溢れている。オタクにとって履修は最早、義務教育も同然の位置づけなのだ。

オタクはみんな何故かスリザリンが好き!

 私も世界観自体は好きなので、PS5用ソフト『ホグワーツレガシー』を買ってみたりもした。が、キャラメイクで推しに似せた子を作ってお目当ての寮のレイブンクローに入れた瞬間、すべてがどうでもよくなってしまい、放置している。魔法はほぼ覚えられなかった。

 そんな私が『ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 - メイキング・オブ・ハリー・ポッター』に行くことになったのは、友達から「予約してチケットを取ったけど予定が入っていけなくなってしまった。勿体ないので行ってきてほしい」と言われ、代わりにチケットを無償で譲ってもらったからだ。
 正直としまえんの跡地にハリポタの施設が出来ると聞いたとき、感想は「そんなもん今更作って誰が行くんだよ」だった。テーマパークならともかく、博物館的な施設だと聞いたときはさらに「これ、絶対失敗するな」と確信めいた思いを抱いた。
 なにせ、天下のUSJには立派なエリアとアトラクがある。一度だけ行ったが、十分すぎるほどの完成度だった。また、まだ原作と映画が続いていて、熱狂冷めやらぬ時期ならともかく、とっくに映画は完結してしまっている。
 あの頃の熱量を持ち続けているハリポタオタクがどれほどいるのだろう。それならポケモンとか、週刊少年ジャンプとか……そういう、インバウンドも見込める所謂『アニメジャパン』的な建物のほうがもっと儲かるんじゃないか、と考えてしまう自分がいた。

 だが、私はテーマパークオタク。日本中の遊園地を制覇したいと思ったことさえある女である。無償でチケットを譲ってもらえるのであれば、行かない手はない。だからといって映画をすべて履修するわけでもなく、16時入場のチケットを手にへらへらと入場したのだった。
(以下施設のネタバレ含む)
(すべて私が撮影した写真です)

良いところ

①敷地が広い

 思っていたよりも敷地は広かった。16時の入場チケットを使ってほぼオンタイムで中に入り、22時の閉園まで楽しんだ。特別ゆっくり歩いたわけでも、急いで歩いたわけでもない。飲食の小休憩を2回挟んだ以外は普通に楽しんだが、時間は足りなかった
 ハリーの家には入れなかったし、ファンタスティックビーストのコーナーは脇目も振らずに通過しただけなのに、だ。
 ゆっくり楽しもうと思ったら、昼の12時から夜の19時くらいまでは普通に滞在出来る施設だと思う。ただ、『世界観に浸って写真を撮ること』を最も重要視している施設なので、TDRやUSJ、その他遊園地とはかなり異なる性質を持っていることは理解していったほうがいい。写真をあまり撮らない&ハリポタにそこまで詳しくない層であれば正直3時間もあれば十分かもしれない。私は写真を撮るのが好きなので、それなりに楽しめた。

②プロップスが凝っている

 施設内に展示されているものはどれも本格的で、雰囲気が良い。テーマパークにありがちなチープさはなく、本当に自分が世界の中に入り込んだような錯覚に陥る。今回は買わなかったのだが、ローブや杖が欲しくなる気持ちが痛いほど理解できた。私がUSJのパークオタクだったら間違いなく購入していたことだろう。

階段は一部動く
私の家の壁もこんな風にしたい
沢山の杖の中からお気に入りを選択できる
ハリーにたくさん届いた手紙
あの…大広間の食堂みたいなところ
映えスポット図書室
これが何か知らなくても撮ってて楽しい
カートを壁に向かって押し込む写真も撮れたりするよ

 持っていくレンズを55mmの単焦点にしてしまったことが悔やまれるほど、空間全体が美しかった。もっと広角でも撮りたかった。
 ――が、私が一番お気に入りのレンズ『Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA』で切り取ったことで現場の雰囲気まで感じられるような写真に仕上がって満足している。SONY機のミラーレス一眼ユーザーには絶対的にお勧めしたい一本だ。(カメラの話になってしまった)

③食事のクオリティ&値段

 私は舞浜の民なので、年パスを失った今でも月に1度はパークに通う。だが盲目オタクではないので、舞浜の食事は全然おいしくない。というか、近年特に経費削減が目に見えて酷く、見た目のクオリティが著しく下がり続けている。TDRの食事は個人的にざっくりと5ランクに分けられていると思っているが、上から3番目くらいのランクが一番コスパが悪いと思っている。
 スタジオツアーが提供する料理は、素晴らしい。価格帯的には舞浜でいうところの3番目くらいに該当するのだが、満足度(特に見た目!)が全然違う。テーマパークで食べる食事、という特別感をこれ以上なく演出してくれている。

調整ミスって不必要にボケててすみません。
でも見てこのちゃんとした『陶器のお皿』、そして鮮度を感じる食材を……
バタービール!
容器は持って帰れるのもすごくいい。私は外貨入れにした。

 これは本当に舞浜も見習ってほしいと思うくらい素晴らしかった。個人的な感覚では同価格帯の食事クオリティはTDR⋘USJ<スタジオツアー、って感じだ。
 食事に時間を割くのは惜しく感じるかもしれないが、ぜひ一度は食べてみてほしいと思った。並びの待ち時間もそこまでひどくない。

うーん…?なところ

①休むところが少ない

 スタジオツアーはふんわりと順路が決まっているのだが、終わりまでズンズン歩き続けても4時間くらいかかる。だが、スタジオ内にカフェやベンチといった休憩場所が本当に少ない。飲み物を買える自販機のようなものも、特定のエリアまで行かないと見つけられなかったように思う。
 施設の雰囲気にそぐわないのは分かるのだが、違和感がないようなデザインで配置してもらえればなお楽しみやすいのになあ、とは思った。

②課金要素

 スタジオ内にある大量のプロップスの中で自由に写真を撮り、SNSにアップして良い、という商売・宣伝の仕方は非常に現代的だ。中には映像と実写(自分たち)を融合させた映像が撮れる特殊なフォトロケがいくつも用意されている。無料なものもあれば、有料のものもある。

施設の楽しみ方 - Warner Bros. Studio Tour Tokyo - The Making of Harry Potter スタジオツアー東京をもっと楽しむための情報はこちら。デジタルガイドやオフィシャルガイドブックをご予約いただくことで、ツアー www.wbstudiotour.jp

 上記サイトにあるグリーンスクリーン体験がその主な例だ。が、その有料の値段がマジでたっっっっっっっっっっっっっっかいのである。一番安くて3500円。確か高いと5000円くらいしたような気がする。さすがに「ちょっとほしいな~」程度の気持ちで出せる値段ではない。もちろん、買わなくても体験することはできるのだが、せっかくの体験が終わった後に売り場へ誘導され、料金説明を受けて、「イヤ高すぎるだろ…」という気持ちに支配されて終わるのは残念だと思った。それなら長蛇の列に並ぶ前に予めこういう値段ですよ、と説明してほしかった。
 もちろん、そういうところで稼いでいかないといけないのは分かるのだが、もう少しうまいやりようがあると思う。

③リピーターっているのかな…?

 正直、一番気になったのはここだ。
 確かに満足度は高いチケット代分の価値は十二分にあると思う。ぜひ行ってほしいと、心からお勧めできる。
 だが、こういうテーマパークってリピータービジネスが重要だと思うのだが(立地的に特別いいわけではないし…)、この施設にリピーターが見込めるとは思えない。私も5年に一回くらいであれば行ってもいいなとは思うが、TDRやUSJのように毎月・毎週でも行きたいと思うような何かがあるわけではない。仮に私がハリポタの重課金オタクだったとしても、年に1度行けば十分だろう。
 最近YouTubeで、やたらとスタジオツアーの広告が流れてくるようになった。そしてチケットサイトを見に行くと、ほぼ全日程・全時間のチケットが売れ残っている。つまり、皆が『行ってみたい!』と憧れる時期は去ったということだ。今後どうやってリピーターを獲得していくつもりなんだろう…?というのは、純粋な疑問だ。

 つい私が運営ならどうするだろう、と考えてしまうのは前職で染みついた職業病かもしれない。
 私なら、客をホグワーツの新入生という体にして、『先生』役の従業員が『偉大なるハリーポッターとその仲間たちが巨悪と戦った歴史を各所を回りながら説明してくれる』みたいな設定の体験型修学旅行的ツアーを開催することで集客する。で、カメラマンがついてくれて、みんなをいろんな角度から撮影してくれる。平日限定開催、エリア内は貸し切り、販売しているローブなどのドレスコードあり。そうすれば杖も服も売れるし、ツアー参加費も稼げる。写真の売り上げも見込める。オプション金を払っていない来場者がただ乗りするのも防げる、なんて。……どうだろう。もしこれがあるなら、私だったら値段次第では参加してみたいと思ってしまうのだが、パークオタ以外の需要が得られないだろうか。
 もちろんこれが最善策だとは思っていないのだが、運営側が次にどのような一手を打ってくるのか楽しみだ。

これから行く人へのアドバイス

①手荷物は少なく!

 これは皆が言っていることだが、持っていく荷物は限りなく少ないほうがいい。歩き回る距離が多く、休む場所が少ないので疲れるし、写真を撮って楽しむエリアが多いので荷物が映り込んでしまうのも雰囲気が壊れてしまうと思うので……。
 もし荷物を減らせないのであれば、施設内に入ってすぐにロッカーに預けるのがいい。

②スマホの充電忘れずに!

 正直写真を撮らない(撮れない)とあまり楽しくないので、充電切れは避けたいところだ。スマホがないと十分に楽しめないエリアもあるので、充電器を持っていくか、満充電していくようにしてほしい。

③最低限の知識があるとよい

 これは至極当然だが、作品について知らないで行くよりは知ってから行ったほうがいい。世界観に入り込むためにも、行く前に作品を視聴するのがお勧めだ。記憶は鮮明であれば鮮明であるほど楽しめるはず。
 ファンタスティックビーストのコーナーもあるので、全部楽しもうと思うのであればそちらも見てから行ったほうがいい。

総括

フォトロケはとにかく完成度が高く綺麗

 写真はめちゃくちゃ沢山撮ったし、楽しかった!
 お土産もかわいいのがいっぱいだったし、料理も満足度が高いしで、多分チケ代を満額払っていたとしても、感想は同じだったと思う。

プレショーもいい感じだった
  • 私と同じ感想に至る人は多分、以下の人たちだ。

  • ハリーポッターが好き

  • テーマパークが好き

  • 写真が好き

  • コスプレ(バウンドコーデ)が好き

  • 映画の製作裏側(セットなど)が好き

 多分行って『損した!』『つまらなかった!』と感じる人はそんなにいない施設だと思うので、一度くらい足を運んでみてほしいと思った。

次はローブと杖が欲しいな~
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