【百人一首】知識ゼロの理系東大生が競技かるたの奥深さに驚愕

2024-09-09 ドラゴン桜(三田紀房)公式note


皆さんこんにちは!
ドラゴン桜塾塾長の永田耕作です。
 
今回はアカデミックマインド講座のマスターである橋本くんに教えてもらった、競技かるたの奥深い世界にみなさんを招待したいと思います。

このnoteマガジンで何度か橋本くんですが、実は彼は競技かるたの熟練者としての顔も持ち合わせているのです。 

橋本くんは中学高校と競技かるた部に所属し、日々練習をしていました。
 
僕はずっと野球部に所属していたので、文化系の部活がどのように練習しているのかのイメージが湧かないのですが、話を聞く限りは基礎練習から実践練習まで非常に長い時間をかけて取り組んでいたようです。
 
そんな「競技かるた」、皆さんはどのくらい知っていますか?

「ちはやふる」という作品の名前を聞いたことがある人は多いでしょう。
 
講談社コミックスより漫画として出版されてとても話題となり、映画化やドラマ化もされるほどの人気作品となりました。
 
この作品を通して「百人一首」や「競技かるた」のことを初めて知ったという人も多いのえはないでしょうか。
 
そんな競技かるたについて、実は僕は全くと言っていいほど知りません。
 
恥ずかしながら競技かるたどころか、そもそもの百人一首もほぼ覚えていないほどです。
 
そんな僕が、今回橋本くんから競技かるたを一から教わりました。
 
その中で、「え、本当にそうなの?」とびっくりしたことがいくつかあったので、それを皆さんにもお伝えしたいと思います!

 

塾長永田が驚いた競技かるたの世界


①「競技用百人一首」は素人お断り!

まず一つ目は、競技かるたで使われる実際の百人一首のカードについてです。
 
皆さんは、おそらく「百人一首」と聞くと、坊主や姫などの絵が描かれている裏面が緑色のカードを思い浮かべることでしょう。
 
しかし、実は競技用の百人一首にはそのようなイラストの付いたカードは入っていません。
 
「五七五七七」の中の「下の句」と呼ばれる「七七」が書かれているカードが100種類入っているだけなのです。
 
この下の句が書かれた札を表面を上にして並べ、上の句と呼ばれる「五七五」の部分が読み上げられたら、それに対応する札を取るのです。
 
それが百人一首、競技かるたの基本的なルールになります。

と言われても、よほど百人一首に詳しい人でない限り、上の句と下の句の対応を全て覚えてはいないでしょう。
 
つまり、競技用の「百人一首」は、百人一首の歌を十分に知らない素人だけではそもそも「遊べない」ゲームなのです。
 
これぞまさに「競技用」ということですね。


②かるたの置き場所は自由!?

続いては、かるたの置き場所についてです。
 
競技かるたは1対1で戦い、お互いに自分の陣地に25枚のかるたを配置します。
 
ここで驚いたのが、自陣の札の置き方が自由であることです。
 
自分の陣地の中には「上段」「中段」「下段」という3つの段があり、それぞれの段の左右にどのような配分で置くかは、プレイヤーが自由に決めることができます。
 
つまり、かるたを縦に4列、5列と並べるのは禁止ですが、左に寄せる、右に寄せるなどの作戦はOKなのです。
 
橋本くんに聞いたところ、競技かるたのプレイヤーは左右の両方に同じくらいずつ札を配置する人が多いようです。
 
この理由は、次の驚きポイント「なぜ上から押さえずに横から払うのか」にもつながります。 


③なぜ上から押さえずに横から払うのか

さて次は、かるたの札の取り方についてです。

一般的にお遊びのかるたでは、読み上げられた札を上から押さえる形で取る人が多いと思います。
 
しかし、競技かるたでは札を弾くように、手で払うスタイルが圧倒的に多いのです。
 
レベルの高い試合ほどその払いのスピードは苛烈になり、対戦している和室の障子に札が突き刺さるなんてこともあるようです。
 
ではなぜ、ここまでして札を「払う」のか。それには非常にシンプルな理由があります。

勘付いた人も多いかもしれませんが、単純に「その方が速い」からです。
 
上から押さえるには無駄な動きがどうしても生まれてしまうため、肘を起点にして腕を外に放り投げるように、札を払います。
 
これが、②の話にもつながってくるのです。
 
横から払うように札を取るからこそ、真ん中よりも端っこに置いてあった方が札が取りやすくなります。
 
最善の方法で戦えるように、自分で札の置き方から工夫しているのですね。
 
しかし、ここまで説明して、一つ疑問を思った人もいるのではないでしょうか。

「そんなスピードで払ったら、他の札も触っちゃうんじゃないの?」

もちろん、僕もこのように感じました。しかし、ここには次に説明する驚きのルールがあったのです。


④何枚触ってもお手つきにならない理由とは

実は、競技かるたの試合中では、読まれた札以外の札を払ってもお手つきにならない場合があります。
 
それは、読まれた札が「自陣の札」である場合です。

例えば、AさんとBさんが対戦していて、Aさんの陣地にある札が読まれたとします。
 
この時、Aさんの陣地にある札は読まれているかどうかに関係なく、全て触って良いものとなるのです。
 
極端な話をすれば、「陣地にある札を全て払っても良い」ということになります。
 
このルールは、より速いスピードでプレイヤーが札を払えるように設計されたのでしょう。ゲームを高いレベルにするために、ルールにも工夫があるようですね。


⑤初心者殺しの「空札」の存在

最後は、「空札」についてです。

僕は一番最初の説明で、競技かるたは1対1の対戦であり、プレイヤーの自陣にある札は25枚ずつ、と述べました。

つまり、25×2で50枚の札が使用されることになります。
 
しかし、「百人一首」という名前からも分かる通り、かるたの札は100種類あるのです。

これはどういうことなのでしょうか。

橋本くんに聞いてみたところ、100枚の札の中からどれが用いられるかは試合によってランダムに決定されるようです。
 
しかし、読み手(札の上の句を読む人)は100種類全てからランダムで読むことになります。

つまり、自陣にも相手の陣地にもない札の上の句が読み上げられることがしばしばあるのです。

これが、「空札」と呼ばれるものです。プレイヤーは、今読まれている札が「どこにあるのか」以前に、そもそも「場に存在するのか」まで考えながら競技を行っているのです。
 
このように考えると、いかにハイレベルな試合であるかが分かるでしょう。
 
実際にYouTubeで公開されている競技かるたの試合を見てみたら、空札が読まれる場面が何度もあり、対戦者同士が駆け引きをしながら札に向かう姿はものすごく緊張感がありました。
 
また、熟練者が札を取るスピードも目に留まらないほど速く、競技かるたが「畳の上の格闘技」と呼ばれるのも納得のすごさでした。
 

おわりに

今回は「東大生が驚愕した競技かるたの世界」ということで、アカマイマスター、かつ百人一首マニアの橋本くんにルールや面白さ、その奥深さを解説してもらいました。

僕と橋本くんが実際に百人一首を使って説明している動画が、僕が塾長を務めるYouTubeチャンネル「ドラゴン桜塾」でアップロードされています。
 
中学・高校生活の間、ひたむきに競技かるたの練習に打ち込んだ橋本くんのスゴ技が見れるだけでなく、競技かるたの競技としての奥深さがわかるので、ぜひご覧ください!

今回の記事は、ここまでとなります。
それではまた次回の記事でお会いしましょう!

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