初めて本を出すときに著者がやるべきこと

2024-09-10 黒田 剛 |書籍PR/非効率家

本日からnoteを始めます。

始める理由はこのぼくが、どういうわけか本を出すことになってしまったから。

書籍PRに17年間携わってきましたが、いざ自分自身が著者になる、ということになると、正直戸惑っています。

そこで、まずは「なぜ本を出すことになったのか」を振り返り、そのうえで「著者として何をやらなければいけないか」をnoteを書きながら考えていきたいと思います。


noteの記事が大きな反響に

ぼくが本を出すきっかけとになったのは、編集者の下井さん(葉っぱ切り絵アーティストのリトさんの本の編集者さん)が書いてくれた、このnoteの記事です。
※17,000字もあるので読むときは注意してください。気軽に読もうとするとびっくりします!

ぼくの仕事のやり方を書いてもらったこの記事には、とても大きな反響がありました。

たくさんの出版社や著者の方々からの書籍PRの依頼、出版社さんからの勉強会の依頼、なかにはビジネス雑誌の取材依頼までありました。

1本の記事に、ここまでの反響があったことには本当に驚きました。

下井さんが書いた現代ビジネスの記事がバズっているのを見たことがあります。でもそれは実際に本を出版した著者についての記事です。ぼくの仕事のやり方をまとめた記事が、多くの人に読まれていることは、驚きでした。

予想外の感想が届く…

出版関係者以外の方からも、たくさんの感想をいただきました。医療業界など他業種の方、新社会人、これから就職を控えた大学生など。さまざまな人から、「すごく面白かった!」「ためになりました!」といった声をいただきました。がむしゃらに続けてきた自分の独自の営業スタイルを評価してもらえるのは、本当に嬉しかったです。

その中で一番多かった感想が、「効率悪いことが、結局、一番効率がいいんですね」というものでした。

ぼく自身はけっして非効率にやっているつもりはないんです。ただ、周りから見るとそう見えるんだな、と不思議に思いました。編集者の下井さんは、「そこが面白いんですよ! 非効率な方法こそが黒田さんのPRメソッドなんですよ!」と言います。

そのときに、ぼくが本を出す意味が、少しだけ脳裏によぎりました。

ぼくが本を出す2つの意味

これまでも冗談交じりに「絶対、黒田さんの本、出したほうがいいですよ!」と言われたことはありました。けれどぼくは、本を出す難しさ、それを売ることの難しさを知っています。なので気に止めることはありませんでした。

けれど、下井さんが書いてくれたnote記事の反響を日々受け取るうちに、自分が本を出す意味は、もしかしたらあるのかも? と考えるようになりました。ぼくが本を出す意味があるとしたら、それはこの2つです。

ひとつは、いま、せっかくPRの仕事の依頼をいただいても、これ以上新しい仕事を引き受ける余裕がないことです。現在ぼくは、兄と2人だけで書籍のPRを行っており、朝から深夜まで働く毎日。残念ながら、新規の仕事はすべてお断りしています。そのたびに「どうにかして依頼を受けられないか」と悩んでいました。

ご存知の通り、いまの出版業界は本当に厳しい状況にあります。そんななか、刊行した本の存在をより多くの読者に届けるために、各出版社にとってPRの重要性がより増してきています。そこで、ぼくのPRのやり方をぼく自身の本を通して伝えることができたら、自分が契約している出版社に限らず、出版業界全体に貢献できるのではないかと考えたのです。

もうひとつは、ぼくのPR(営業)方法が、出版業界以外の方々にも役立つ可能性があることです。たまに他業界の方とお話しする機会があるのですが、ぼくの何気ないアドバイスを信じてくださって、「黒田さんの言った通りにやったら、めちゃくちゃ結果が出ました!」と感謝の連絡をいただくことがあります。本当に驚くし、とっても嬉しいことです。そして、もしぼくが本を出せたら、いま営業やPRで悩んでいる方々に、もっと広く役立ててもらえるかもしれない、と思うのです。

そう考えて、下井さんに話すと「通るかわからないですけど、企画を出すことはできますよ!」という返事。「テーマはあえて『非効率』にしましょう!」と、企画会議に出してもらうと、驚くことに通ってしまったのです。

企画会議に通るまでの経緯を下井さんがまとめてくれたのがこのnote。

スゴ腕PR黒田メソッド書籍化プロジェクト|下井香織|書籍編集者|note 出版各社から引っ張りだこのスゴ腕PR黒田さんの仕事術をお届けしながら、私自身が本のPRの仕方を学び、あわよくばベストセラー note.com

ぼくの挫折や失敗が誰かの役に立つのかも!?

企画会議に通ったあとに、下井さんからこんなことを言われました

「”どうせ黒田さんだからできるんでしょ?”みんなそう思うんです。だから、誰にでもできる具体例をたくさん紹介していきましょう。黒田さんだけができる方法では、本にならないんです。本にするうえで重要なのは、再現性があるかどうかですから」

ちょっと待ってください、下井さん!
ぼくがいまの自分のやり方にたどり着くまでに、どれだけ挫折して、そして、苦労してきたかをご存知ですか?

芳林堂書店の外商部で新規営業をしていた頃、1年間で1件も決めることができなかった時期があったこと。講談社でPRを始めたとき、周りがすごい人だらけで、何をしていいのかわからず、毎日落ち込んで、すぐに辞めようかと悩んでいたこと。学生時代から落ち着きがないことで、先生から怒られ続けてきた人生でしたが、いまやっとPRの仕事で少しだけ褒めてもらえるようになったんです。いまでもPRの仕事は毎日苦しんでいて、楽な日なんて1日もありません。

ですから、ぼくがやっているPRの方法は特別なものではなく、極めて普通です。才能のないぼくでも結果が出る方法を必死に模索してきただけです。だからこそ、再現性だけは自信があります。

本を売るために著者がやらなければいけないこと

さて、ここから本当に考えなければならないのは、この本が売れるかどうかということです。誰にも知られていないぼくが、このまま本を出しても、正直、売れるとは思えません。

そこでぼくが決めたのは、「著者としてやれることをすべてやる!」という覚悟です。

PRを通じて本をたくさんの人に届けるのが、ぼくの仕事。そこで常に心がけているのは「やれることをすべてやり切る」ことです。

「黒田さん、それだけやって売れないならしょうがないよ」と思われるくらいに徹底的にやろう、と決めました。

では、著者としてやれることとは、具体的にどんなことなのか?
毎日、朝から深夜まで仕事をしているぼくに、果たしてそんな時間があるのだろうか。

途方に暮れていたある日、驚くべき本と出会いました!

次回へ、続く。


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