機嫌のいいチームをつくる

2024-09-09 西原雄一

以前「コーチ」をテーマにしたnoteを書いたことがある。

このnoteは自分がコーチのような存在を頼りにキャリアを積んできたわけではない、ということを書きつつ、「最高のコーチは教えない」という本をモデルにしつつ、コーチとは何をする人で、どんな存在であるべきかといったことを書いた。

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このnoteを書いたのが5年前。現時点でもコーチはいない。ただ5年間で相談される機会が増え、チームをマネジメントする機会が増えた。

個人に働きかける機会が多いコーチとしてではなく、チームやプロジェクトをマネジメントしていくマネージャーとしてはどうするとよいのではないか。そんなことを考えているとき、「最高のコーチは、教えない。」の続編とも言える「機嫌のいいチームをつくる」という本が出たので読んでみました。

本書は投手コーチとして実績を積んだ吉井理人さんが、2023年に千葉ロッテマリーンズの監督就任にあたって考えたことがまとめられた書籍だ。

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自分の特徴を発揮できるチームが強い

本書の冒頭に吉井さんは2023年に千葉ロッテマリーンズの監督に就任するにあたって定めた基本方針が書かれている。

「選手に主体性を持たせ、自ら考え、自ら決断し、自ら行動できるようになってもらいたい。そのためにできることはすべてやる」

この基本方針を定めたうえで、吉井さんは「主体性と自主性には違いがある」として以下の通り違いを説明している。

主体性─自分自身の意思や判断に基づいて行動を決定する様子
自主性─当然になすべきことを、他人から指図されたり、他人の力を借りたりせずに、自分から進んでやろうとする様子

チームとは個人の集まりで、個人の能力によってできることが増える。吉井さんが目指しているのは、主体性をもたせ、自らの力でチームを勝たせよう、成果を挙げようと責任をもって行動する人が多いチームなのだと解釈した。

よく「チームのために」という言葉があるが、チームから言われたことだけをやることが「チームのためにやることだ」と解釈している人がいるし、自分の実力を殺しても、強みを殺しても、チームから言われたことをやることが「チームのためになる」と思っている人がいるが、僕は違うと思う。

もちろん個人の能力によって出来ることは異なるが、チームとは個人の実力を発揮したうえで、チームでなければできないことをやるのがチームだと思う。本書には「1試合勝つには選手で勝てる。チャンピオンになるためにはチームで戦わなければならない」という言葉が紹介されている。個人でできない問題を解決するためにチームを組むのだ。

マネージャーの仕事は「環境整備」

以前のnoteにも書いたが、僕はマネージャーの仕事は「環境整備」だと思う。

1.仕事を作る
2.仕事の方向付けを行う
3.仕事の環境整備を行う
4.仕事に必要な経営資源(人、モノ、金)を獲得する
5.仕事の成果に対する正当な評価を行う

そして、マネージャーは中間管理職の役割を担う人がいる組織をマネジメントする場合は、中間管理職のマネジメントが役割になる。僕も2023年は中間管理職のマネジメントに注力した。

中間管理職をマネジメントする場合に気をつけていたのは、「役割を明確にして任せる」「情報をオープンにすること」「機嫌よくいること」の3点。これは本書にも書かれていることでもあった。

役割を明確にし、任せ、それぞれの意見を参考にしながら方向性を決めていく。そうするためには自分が持っている情報は出来る限りオープンにするに限る。役割を明確にして、情報をオープンにしておくと、中間管理職のメンバーが主体的に行動してくれるからだ。

主体的に行動してもらうには、どのくらいのミスならOKかを許容しておくことが重要だと思っていたけど、本書にも同じようなことが書いてあった。よかれと思ってやったことが、マネージャーからするとやって欲しくなかったことだとすると、メンバーは主体的に行動してくれない。だから、情報をオープンに、コミュニケーションもオープンに、雑談と相談を繰り返しながら、意思疎通や判断基準のブレがないようにしておく必要がある。

そして、本書のタイトルでもある「機嫌よくいる」こと。これはとても大切で、機嫌が悪いと話しかけてもらえず、情報が集まってこなくなる。機嫌が悪い人には社内もクライアントも話かけてくれない。どんなときも、同じような態度で、ムスッとすることなく普段通り。これが一番むずかしいけど、これが一番大切なことだとそう心がけていた。

本書を読み終えて、普段心がけていることが書かれていて、僕としては「これでよいのだな」と感じた。僕も機嫌のよいチームをつくり、機嫌のよいチームを増やし、いい仕事をしていきたい。

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