松本 侃士

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Vaundyは、何を革新し、何のために戦うのか。「replica」「HEADSHOT」の先へと続く第2章の歩みについて。

【7/28(日) Vaundy @ 幕張メッセ 展⽰ホール 9~10ホール】Vaundyの幕張メッセ公演「Vaundy one man live "HEADSHOT" at Makuhari Messe」を観た。「HEADSHOT」、つまり、証明写真というテーマを掲げた今回のライブは、初期の曲、『replica』期の曲、そして2024年に入ってから発表された新曲で構成されたもの。これまでの歩み、そして、自身のキャリアの第2章を邁進する彼の今を克明に映し出した、まさに総力戦

世界各地を周り、金沢へ。RADWIMPS、希望のメッセージを送り届けた万感の凱旋公演を振り返る。

【6/15(土) RADWIMPS @ 石川県産業展示館 4号館】4月に、RADWIMPSのアジアツアーの追加公演として金沢公演が開催されると発表された時、この公演は、RADWIMPSにとって、そして私たちリスナーにとって、とても大きく深い意義を持つものになるはずだと思った。そしてだからこそ、その公演についてしっかりと書き記しておかなければならないと強く感じた。前置きが少し長くなってしまうが、まずは、今回の金沢公演が特別な意義を持つことになると直感した2つの理由について記

2023年、僕の心を震わせた「邦楽」ベスト10

僕にとっての2023年の最大のトピックスは、やはり、日本におけるライブシーンの完全復活だった。2020年の春以降、数々のライブやフェス、イベントが中止・延期となり、その後に少しずつライブシーンが前進し始めてからも、観客の声出しNGをはじめとした様々な規制が設けられ続けてきた。そして、2023年の年明けから春にかけて、そうした規制の撤廃が大きく進み、ついにライブの現場にかつてのような歓声が戻り始めた。戻ってきたのは、歓声だけではない。誰もが、何にも縛られずに、それぞれの方法/選

夏フェス、完全復活。「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2023」を振り返る。

【8/5(土)6(日)11(木)12(金)13(土)「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2023」@ 蘇我スポーツ公園】僕は、2021年以降、コロナ禍で開催されてきたJフェス(春の「JAPAN JAM」、夏の「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」、年末の「COUNTDOWN JAPAN」の総称)に毎回足を運び続けてきました。振り返れば、一昨年の「JAPAN JAM 2021」は、開催の是非を巡って様々な立場から意見が飛び交う中での4日間となり、会

全員で辿り着いた《叶うはずないあの日の夢》の大舞台。UVERworld、初の日産スタジアム公演2デイズを振り返る。

【7/29(土)〜30(日) UVERworld @ 日産スタジアム】全ては、今から半年以上前、2022年12月21日に敢行された横浜アリーナ公演「TAKUYA∞生誕祭」から始まった。その日の公演においては、あらかじめライブの最後に重大発表があることが明かされており、そしてその予告通り、2023年7月に初となる日産スタジアム公演を2日間にわたり行うことが発表された。バンド史上最大規模の会場でのワンマンライブ、しかも2日目は男性限定ライブ「男祭り」としての開催である。まさに

2023年上半期、僕の心を震わせた「邦楽」ベスト10

ライター活動を始めた2018年の年末から、「僕の心を震わせた〜ベスト10」と題した邦楽・映画の年間ランキングを発表し、2019年の年末からは洋楽を含めた3つのランキングを発表し続けてきた。また、2019年からは、その年の中間報告として、毎年6月末頃に上半期のベスト10をまとめてきた。今年からは、スケジュールなどの兼ね合いで、上半期のランキングをまとめるのをストップして年末の年間ランキングのみ発表する形にしようと考えていたけれど、やはり、邦楽のみ、どうにか時間を作って上半期

《今君が"そこ"にいることを 僕は忘れないから》 BUMP OF CHICKEN、「be there」ツアーファイナル公演を振り返る。

【5/28(日) BUMP OF CHICKEN @ さいたまスーパーアリーナ】BUMP OF CHICKENにとって、そして僕たち一人ひとりのリスナーにとって、ライブとは何か。先に結論から書いてしまえば、この日の公演は、その問いに対する確信をお互いに深め合うような、あまりにも輝かしい時間・空間となった。僕自身、今まで数え切れないほどBUMPのライブを観てきたけれど、その本質が、これほどまでに深く鮮やかに浮き彫りになったのは、今回のツアーが初めてだったかもしれない。も

R.I.P. 坂本龍一

坂本龍一さんの逝去が伝えられてから、少し時間が経ってしまったけれど、今の自分自身の想いをいつまでも忘れないために、ここにしっかりと書き記しておきたい。2011年4月、東日本大震災から約1ヶ月後のある日、当時大学2年生になったばかりの19歳の僕は、計画停電中の薄暗い書店で、坂本さんが紡いだある言葉に触れた。それは、Webサイト「prayforjapan.jp」に集まった世界中からのメッセージを一冊にまとめた書籍『3・11 世界中が祈りはじめた日 PRAY FOR JAPAN

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